突然襲ってきた憂鬱

さっきの話をする。

いま、というのはさっきのことだ。

 

いま、本屋にいる。

本屋にいて、勧められた本だったり、気になる本だったりを探して、徘徊している。最近は週に3、4回は本屋に訪れている気がする。

わたしは最近、たくさん本を読んでいる。本は寂しさを埋めるのに丁度いいと聞いたから、寂しいわたしは、狂ったように本を求め、貪るように本を読んでいる。いろんな世界に連れて行ってくれる本は、薄味で、淡白なわたしの日常を鮮やかに彩る。わたしはいま、とても満たされていると、幸せな気持ちになる。

昨日の夜、おすすめされなかった本を手に取った。よく本を勧めてくれる人が、「これは読まなくていいけど」って言っていた本。まだ難しい、というか、わたしにはハードな内容だと判断したのだと思う。実際わたしには難しく、描写もなかなかハードだった。

わたしはすごくすごく悔しかった。その本を読むことができたら、その人と同じ場所から世界を眺められるんじゃないかと思っていたから。でも、そうなるにはまだまだ幼いし、経験もペラペラに薄い、そもそもわたしは頭が良くない、というか弱いので、今落ち着いて考えると、まぁ当然でしょ、と思う。でも、わたしはその人と同じ場所に辿り着きたかった。

わたしも難しい本や、ハードな描写がある本を読めるようになりたいと強く願いはじめた。もともと願ってはいたけれど、昨日の夜からは特に。わたしは難しい本を読める人にとても憧れている。背伸びをしてでも、どうにかそこに辿り着きたい。。。

 

 

 

って、憧れを抱く自分になりたいのかもしれない。と気づいたのがちょうど今。

わたしは最近、どうしてわたしはいつまで経っても憧れに辿り着けないのだろうと考えていた。幻を幻にしておきたいと思う人がいるように、わたしは憧れを憧れのままにしておきたいのかもしれない。[憧れの何かに憧れている自分に]憧れているという憧れだけを自分のものにしている、とも言えるのかな、、

だめだ、頭の中がごちゃごちゃしてきた。

とにかく、わたしは成長したいとおもう自分に酔っているのかもしれない。そんな気がした瞬間から憂鬱なのだ。本屋を彷徨う今も、なんで情けないんだろうって思っている。憧れを憧れで終えようとする、成長しない人間。あぁ、いつのまにこんな人間になってしまったの、消えたいな、と思う。

だめだ、本を探しているはずなのに本が見れない、限界だ。と思って、レジに本を3冊持っていく。

頭の中がバグりかけたわたしは、店員さんの丁寧すぎる挨拶にちょっとイライラした。落ち着きなさい、わたし。明日もきっとここにくる。また同じ憂鬱を味わいながら、情けない自分を恥じながら、まるで賢い女の子みたいな振る舞いで本を手に取っては戻し、手に取っては戻し、を繰り返すのだろう。絶望的にダサいな。

いつかこんなダサいわたしを卒業できたら、と思う。ダサいわたしを卒業したい、という思いを抱く自分に憧れを抱いてしまわないように、注意深く頭の中を片付けていく。

 

いま、というさっきのはなし。